“熟成ブロガー鹿ベえ”です。
ここでは、2018年11月29日(木)に、カナダで起きたハイイログマの襲撃で、母親と生後10カ月の女児が死亡した事故について考えてみたいと思います。
この記事は、
・カナダで起きたハイイログマの襲撃事故に興味のある人。
・カナダで起きたハイイログマの襲撃事故について考えてみたい人。
この様な人に読んでいただきたいと思います。
この記事を読む事で、今回のハイイログマの襲撃事故の原因が分かるかも知れません。
—–鹿ベえからYouTubeのおしらせ—–
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【11月29日 AFP】カナダ・ユーコン準州の当局は28日、ハイイログマ(グリズリー)に襲われたとみられる母親と生後10か月の女児が死亡したと明らかにした。
死亡したのはバレリ・セオレさん(37)と娘のアデルちゃんで、アイナソン湖そばの小屋から散歩に出たところクマに襲われたとみられている。
アイナソン湖はユーコン唯一の町であるホワイトホースから北東400キロに位置し、2人の遺体は小屋からそれほど離れていない場所でアデルちゃんの父親によって発見された。
父親はその際、母娘を襲ったとみられるクマと遭遇し、その場で射殺した。
遺体の発見後に父親から、付近にある人口200人ほどの村に緊急通報があったと伝えた。
一家が3カ月前からこの山小屋で生活していたようで、地元住民によれば、アウトドアが好きで、クマのリスクについても熟知していたという。
一帯では多くの人がこの夫婦のことを知っており、数カ月前には赤ちゃんの誕生を祝ったばかりだった。
この様な残念なニュースが流れました。
カナダのユーコン準州
日本の東京からカナダまでは、8,073kmの距離で、今回はカナダのユーコンという準州です。
※準州(じゅんしゅう)とは、州による連邦国家において州に準ずる構成主体ないし本土未編入の自治領的な部分で、州より自治権が弱いためにこう呼ばれています。
ユーコン準州で唯一のホワイトホースの町
1896年に始まったゴールドラッシュ時代に、一獲千金を狙う人々がドーソン・シティへの中継地点として集まった場所、それがホワイトホースの始まりです。
地名は、旅人たちが当時この地で見たユーコン川の早瀬の白波が、まるで白馬のたてがみのようだったことから、その名がつけられました。
小さな町ながらも全体に自由でクリエイティブな雰囲気が漂っていて、夏はカヌー・カヤックのアクティビティやハイキング、紅葉が楽しめます。
また冬には、犬ゾリやスキー、スノーボード、クロスカントリースキー、スノーモビルを楽しむ事ができ、オーロラ体験も有名な観光スポットにもなっています。
ハイイログマに襲われたとみられるアイナソン湖
今回、ハイイログマ(グリズリー)に襲われたとみられる場所のアイナソン湖は残念ながら、見つける事ができませんでした。
アイナソン湖は、ホワイトホースから北東に400kmに位置しているということですが、この辺には、小さな湖が点在していて、名前が出て来ないので、推測ですが「湖面面積」の、あまり大きくない湖ではないかと思います。
カナダに生息するハイイログマとは
ハイイログマ(灰色熊)は、北アメリカに生息するクマ科の大型動物で、ヒグマの亜種で、日本に生息するエゾヒグマとは極近い個体になります。
※亜種とは、原種ではない種ということで、簡単に言えば、姿、形は原種と同じですが、偽物という事です。
みなさん映画で、ご存知の「グリズリー(Grizzly)」というと分かるのではないでしょうか?
平均的な大きさは日本のヒグマとあまり変わらなく、平均体重は260kg、雌の平均体重は170kgで、最大級の個体は体重が450kg以上に達することがあり、1979年にイエローストーン国立公園で508kgの個体が麻酔銃で捕獲・計量された事があります。
イエローストーン国立公園内ではオオカミの群れと並んで生態系の頂点に位置し、季節によってヘラジカ、トナカイやアメリカアカシカ、アメリカバイソンなどの草食獣やその死体を食したり、サケ、マス、バスなどの魚類や松の実やベリーなどの植物や昆虫など、何でも食べる雑食性です。
アメリカクロクマを捕食することがあり、オオカミから獲物を奪うことも多いです。
ヒグマと同じで、時速50km程で走り、泳ぎも得意とし、木登りについては若い個体は得意とするが、成獣は体重が増加するためほとんど登らなくなります。
住宅地の近くに棲む個体はゴミを漁ることもあり、環境問題になっています。
地図ですが、カナダの内陸部と北極が2,500kmと近く、また、温暖化傾向により、北極の氷が溶けて陸地が広がっています。
そのため、陸地のグリズリー(ハイイログマ)と北極のホッキョクグマのテリトリーが重なり、互いが行き来し始めたために、グリズリー(ハイイログマ)とホッキョクグマの混血種(ハイブリッド)が生まれ、問題になっています。
母親と生後10カ月の女児は何故襲われたのか
母親と生後10か月の女児は、なぜグリズリーに襲われたのでしょうか。
ここで、推測を立ててみます。
・今年は世界的規模の異常気象で、山などに餌となる植物が少なく腹を空かしていた。
これは、日本で調査したデータですが、2018年に起こった、大雨や台風、異常気象の影響で”どんぐり”の実が例年の1/3以下といいますから、クマにとっては、“死活問題”です。
世界的規模の異常気象ですから、”餌不足”の可能性もあります。
・生後10カ月の女児のミルクの臭いを嗅ぎ取った可能性がある。
生後10カ月ですから当然、ミルクを飲んでいたと思います。
犬の嗅覚は人の約100倍で、クマの臭覚は人の約3,000倍とも言われ、約30km先の血の臭いや動物の死体の腐敗臭も嗅ぎ取ります。
クマが風下にいた場合、ミルクの臭いに反応したのかも知れません。
・親子が散歩中に偶然遭遇してしまった。
2人の遺体は小屋からそれほど離れていない場所で発見されたという事から、小屋のすぐ近くにグリズリーがいて、親子が外に出た時に遭遇し、グリズリーとの距離が近かったために襲われたという事も考えられます。
狙われたとしたら、クマは時速50キロで走りますので、逃げおおせるものではありません。
・普段からグリズリーを見ていたために、クマに慣れてしまった。
この小屋にいると何度となくグリズリーを見る機会はあったと思いますから、いつの間にかペット感覚になって行ったのかも知れません。
「アウトドアが好きで、クマのリスクについても熟知していた」という報道ですが、”慣れ”や”魔が差す”という事も無きにしもあらずです。
クマに出くわさない方法
なによりも、出合い頭にクマに遭遇することが危険です。
クマは人の気配を感じると、クマの方から避けるのが普通で、そのためには、クマに逃げる機会を与えることが大事です。
クマは音と臭いに敏感
まず、クマは”音”に敏感なので下記の方法が有効です。
・「ホイッスル」を鳴らして歩く。
・「声を出して」 歩く。
・「熊よけ鈴を鳴らして」 歩く。
・「手を鳴らして」歩く。
大事なのは、音を出して、「そこに人がいる」ということを認識させることによってクマは回避していきます。
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現代では、このような電池で作動する「電子ホイッスル」というものがあり、ボタンを押すと鳴りますので、息苦しくならない ですし、衛生的にも良いと思います。
山菜採りや登山などで熊の生息地に入る場合は備えたいですね。
ただし、ラジオやミユージックプレーヤーなどの連続して音の出るものは、クマには音を聞かせる意味では有効ですが、人の方がその音によってクマが近づいた音に気付かないので注意が必要です。
鹿ベえは、ベルタイプと鈴タイプの熊よけ鈴を2種類、組み合わせて使用しています。
なぜ2種類の熊よけ鈴を使用しているかというと、ベルタイプと鈴タイプでは、微妙に鳴るタイミングが違うので、鳴っている時間が長くなるからです。
次に”臭い”ですが、
・「タバコ」の臭いをさせる。
・「蚊取り線香」の臭いをさせる。
この様に、自然界に無い臭いが有効です。
まとめ
カナダで、母親と生後10ヶ月の女児の二人がハイイログマに襲われて命を奪われた事故でした。
クマは絶対に甘く見てはいけません。
クマの行動は、何もしないように見えても、急に襲いかかってきますので、クマと遭遇しない対処をしましょう。
熊に襲われないためには、クマに出くわさないことで、”音”や”臭い”が有効ですので、記事内の道具を活用して下さい。
以上、カナダのユーコン準州アイナソン湖で起きた惨劇についての記事でした。