“熟成ブロガー鹿ベえ”です。

 

ここでは、ヒグマの有害鳥獣駆除やヒグマを捕獲するための「檻」(おり)についてのお話しをしたいと思います。

 

【閲覧注意】このブログは、狩猟関係の事が書かれていますので、殺傷シーンや血液などの写真があります。閲覧にはご理解いただける方のみご覧ください。

 

この記事は、

 

・ヒグマに興味のある人。

・ヒグマを有害鳥獣駆除で捕獲したい人。

・ヒグマを捕獲する時の「檻」について知りたい人。

 

この様な人に読んでいただきたいと思います。

 

この記事を読む事で、ヒグマの生態やヒグマの有害鳥獣駆除、ビグマを捕獲するための檻について分かると思います。

 

—–鹿ベえからYouTubeのおしらせ—–

鹿ベえが実際に行っている鴨猟や鹿猟・ひぐまの駆除作業、散弾銃やライフル銃のことなど

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ヒグマの被害状況

 

 

総合振興局のデータでは、昭和 37 年以降、人身被害は 29 件発生し、31 人が死傷し、内13 人が死亡しています。

 

農業被害額は、平成 13 年度を除き 1,500 万円以下で、平成 15 年度以降は緩やかな減少傾向にあり、平成 19 年度以降は約 500~800 万円で推移しています。




ヒグマが被害を受ける農作物

 

 

ヒグマに被害を受ける作物としては、イネ、麦類、マメ類、雑穀、果物、デントコーン、スイートコーン、野菜、いも類、工芸作物などがあります。

 

総合的に言える事は、甘みの入っている小麦、デントコーン、スイートコーン、メロン、スイカなどの作物を好んで食べます。

 

ヒグマの被害の始まる時期

 

ヒグマが山から人里に近づいて畑を見て回るのは、おおよそ7月頃からで、この頃に小麦が黄色く色づいたり、ハウス内で作っているメロンが甘くなったり、スイートコーンに実が入る時期になるからです。

 

この熊の出没時期につていは、鹿ベえの住む土地柄的な事で、雪の降らない土地では、もっと早いと思います。

 

この頃から、道路や畑の周りで熊の足跡が確認出来るようになります。

 

 

ヒグマは、作物がなる頃から畑に作物の成り具合を見に来て、どこに美味しそうな作物があるのかを確認しておいて、そして、その作物が熟した頃に食べに来ます。

 

そのためヒグマは、農地近郊をグルグルと巡回して歩きます。

 

この頃から被害があれば、農家の被害が出た畑に檻を設置する事になります。

 

ヒグマの捕獲は檻で行う

 

 

鹿ベえ達が捕獲するのに使用しているヒグマ用の檻は、幅が150cm、奥行きが3m60cm、高さが150cmの檻で、鉄筋の太さが10ミリのデコ筋という表面がゴツゴツした鉄筋を使用した檻です。

 

鉄筋の中芯から鉄筋の中芯までの幅が10cmで、ヒグマの手があまり出ないような幅に作成しています。

 

あまりに手が出てしまう幅だと、捕獲になった後、ヒグマが檻から出たい為に地面を掘り、あまりに片方だけの地面を掘られると、朝、檻の見回りに行くと檻がかなり傾いている事がありますので、その防止策です。

 

上の写真ですが、檻の中の左下の鉄筋は見えますが、クマの下あたりの鉄筋は土で見えなくなっていて、そして、檻の手前とデントコーンの間には、掘った土が盛り上げられています。

 

この様に、出たい一心で掘って、外側の土を檻の中にカキ入れたものです。

 

また、熊の奥にある鉄板は、本来、餌を置く場所の下に、餌をいじられないように溶接してあるものですが、ご覧の通り剥がされています。

 

熊はものすごい怪力の持ち主なのです。

 

この熊も檻の左側を掘って、疲れたのでひっくり返っています。

 

檻の奥には、餌になる物を入れますが、檻の外側から餌に触れられないように”網目鉄板”を張り付けています。

 

これは、餌として有害鳥獣駆除で捕獲した鹿を入れますが、この餌を引っ張ると、餌に縛っているワイヤーが動いて、ゲートが閉まる仕組みになっているので、熊が餌に触れられない為です。

 

熊が檻の中に入っていなくてゲートが落ちた場合は、重さが100kgもあるゲートですから、ものすごい音がするため、その熊はまず、檻には入らなくなってしまいます。

 

獲物がこの様な事で檻に入らなくなる事を「トラップシャイ」と言います。

 

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餌としては、鹿1頭をまるごと入れたり、ハチミツ、りんご、鮭などを入れますが、ほぼ、鹿1頭を入れると捕獲できます。

 

クマ捕獲後の処理

 

捕獲後の処理としては、役所(有害駆除の係)に連絡を取り、捕獲事実の確認をしてもらい、銃器で留め差しをします。

 

頭に銃弾を撃ち込みますが、脳が損傷するので動くことはできませんが、10~15分位は呼吸をしていて、呼吸をゆっくり吐いて、手の平が力を失って開いていくと最期になります。

 

この時にいつも思うのですが、生命力の力強さ生命の神秘を感じます。

 

 

クマを解体したら検体するために送る

 

クマを檻から出すと、解体をして試料として総合振興局に送ります。

 

この検体をする事によって、何を食べているか、栄養状態はどうか、メスであれば繁殖状況などを調べる事ができるそうです。

 

熊を検体に送る部位

 

検体に送る部位としては、下記の5又は6か所です。

 

5~6か所で数字が違うのは、オスとメスでは提出する部分の数が違うからです。

 

メスの場合は、オスの提出する試料に「子宮」と「卵巣」が入るためです。

 

回収する試料 回収範囲 主な分析目的
1 下顎(したあご)第4全臼歯 下顎、頭骨全体でも可能 年齢査定
2 大腿骨 左右の内どちらか 栄養状態判別
3 腎臓と周辺脂肪組織 栄養状態判別
4 胃すべて 食性分析
5 肝臓 5~10cm角程度 DNA分析
6 子宮と卵巣 メスの場合 繁殖状況把握

 

 

熊の計測する部分

 

計測して報告する部分は、

 

1 体長 鼻の先から尾を含む長さ
2 胸囲 胴周り
3 体高 前足の手の平から肩を通過して背骨を含んだ所まで
4 全掌幅 前足の幅
5 体重

 

体重はトラクターで熊を吊りますが、トラクターのアームの先端と熊の間にデジタルの秤を入れて計測します。

 

試料にする熊の報告する項目

 

試料にするために報告をする項目としては、

 

・計測した部分の数値及び下記の項目です。

 

1 捕獲者氏名、住所
2 捕獲年月日
3 捕獲方法
4 捕獲場所
5 クマの性別
6 推定年齢

 

などを報告します。

 

 

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まとめ

 

クマの檻は、農業危害軽減や防止の為に有害鳥獣駆除で設置します。

 

クマを捕獲した場合は、計測した数値と摘出した部分を研究用として検体に送る必要があります。

 

以上、ヒグマの有害鳥獣駆除とビクマを捕獲する為の檻についてでした。