“熟成ブロガー鹿ベえ”です。
ここでは、平成30年11月20日に、札幌市恵庭で起きた、猟銃による誤射事故についてお話ししたいと思います。
この記事は、
・札幌市恵庭盤尻で起きた、猟銃による誤射事故について知りたい人。
・このような事故を起こさない為に、心がけを確認したい人。
・なぜ、事故は起きてしまったのかを検証したい人。
この様な人に読んでいただきたいと思います。
この記事を読む事で、猟銃事故防止に対する考え方を共有したいと思います。
—–鹿ベえからYouTubeのおしらせ—–
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北海道新聞の報道記事
ハンター誤射か森林官死亡
恵庭の山中「動物と間違った」と説明
【恵庭】20日午後1時50分ごろ、恵庭市盤尻の山林で、林野庁北海道森林管理局恵庭森林事務所の職員菅田健太郎さん(38)=千歳市大和=が、シカ猟をしていたハンターに猟銃で腹部の辺りを撃たれた。
※恵庭市盤尻(えにわしばんじり)
菅田さんは搬送先の病院で、約1時間半後に死亡が確認された。
道警によると、ハンターは、札幌市の40代男性で「動物と間違えて撃った」と説明。
千歳署は業務上過失致傷の疑いで、任意で事情を聞いている。容疑が固まり次第、逮捕する方針。
※その後容疑は、”業務上過失致死”に切り替えて捜査しています。
同署などによると、菅田さんは、恵庭森林事務所の森林官で同僚の50代男性と、倒木処理の為に恵庭市のラルマイナの滝周辺の国有林に入って、林道近くで作業していた。
ハンターの男性は、狩猟免許があり、猟銃を持って山林で1人で猟をしていたという。
菅田さんとハンターの男性は約130メートル離れていた。
菅田さんと男性は面識がなかった。
同署は男性が誤射したとみて詳しい状況を調べている。
現場は恵庭市役所から西に14キロメートルで、道道恵庭岳公園沿いの山林。
道生物多様性保全課によると、過去10年間に道内で発生した猟銃の発砲による事故は14件で、この内誤射が原因とみられる死亡事例は、2011年2月に胆振管内厚真町と、13年11月に空知管内、新十津川町で計2件起きている。
猟銃事故のテレビ報道
被害者と加害者を整理してみる
被害者 | 加害者 | |
氏名 | 菅田 健太郎さん | 佐孝 英司さん |
年齢 | 38歳 | 49歳 |
職業 | 北海道森林管理局森林官 | 自営業 |
住所 | 千歳市大和4 | 札幌市中央区南21条西12丁目 |
その他 | ———– | 2014年に狩猟免許取得、6年の狩猟経験者 |
事故が発生した場所は札幌から27km前後の所
事故が発生した場所は、北海道の高速道路の札幌ICから千歳方向に向かい、途中、恵庭ICで降り、降りた道路を支笏湖方向へ進んで2.0kmほど走った所になります。
札幌ICから、恵庭ICまで、26,20kmの距離。
恵庭ICから猟銃誤射事故が発生した、盤尻のラルマナイの滝までは、距離にして約15.0km。
林道の状況と白いタオルがシカの尻に見えたという森林官の服装
写真をご覧いただくとわかりますが、被害者の菅田さんは森林局で義務付けされた、猟銃で撃たれない為に作業用のオレンジ色のヘルメットにオレンジ色のベストを着用し、白いタオルをヘルメットの下にして後頭部に垂れ下げていたという事です。
ここで少し考えてみたいと思いますが、普通、後頭部にタオルを垂れ下げるという事は、夏に直射日光を遮るとか、虫に刺されるのを防ぐために使用すると思います。
なぜ、この時期にタオルを垂れ下げていたのでしょうか?
この時期として考えられることは、一つは”防寒対策”でタオルで風を遮っていた。
二つ目に報道では、汗ふきと言っているが、防寒対策や汗を拭くなら、よじって首に巻くはずで、この時期に垂れ下げて使用する意味が何なのか?
※タオルの使用が悪いと言っているのではありませんし、情報が錯綜しているので、情報も正しくないのかも知れないです。
加害者目線で見てみる
加害者側に立って見てみると、被害者までの距離が130mで、肉眼で見ても”シカ”なのか”人”なのかは肉眼でも判別できる距離にある。
林道がゆるやかに曲っていて、沢の樹林越しに白いタオルが鹿の尻に見えたようだが、この様な枝が混みあっている場合、猟銃を発砲しても枝に当たれば屈折して弾は違う角度に飛んで行ってしまうため、普通は撃たない。
もし、撃つとすれば、林道を先に進み樹林をはずして、見晴らしが良くなった所で発砲する。
しかし、手前には林道が入っているため公道上を横切る弾道になるため、法律上発砲は禁止である。
白いタオルの上と下はオレンジのヘルメットとベストであるから、スコープで狙いを定めた場合、オレンジ色を見逃すはずは無いと思う。
スコープで確認していないという報道もされていて、あの猟銃には、スコープが装着されていたが、据銃(きょじゅう)した場合スコープが眼の位置に来るので、どうしてもスコープを覗く事になるはずだが、それも使用しない程焦って撃ったという事なのだろうか?
※据銃=射撃で、銃床を肩に当て、目標にねらいをつけて銃を構えること。
もし、そういう状況なら、あの樹林の枝の込みあった中をスコープも覗かないで撃ったにしては、まぐれ当たりもいい所だと思う。
そして、あの林道の入り口だが、林道の作業や造材作業で人が入る場合は、”林道作業中”や”発砲注意”などの”のぼり旗”を立てるはずだが、映像を見る限りでは、そのような”のぼり旗”は、立てられていなかった。
事故が起きる時は、こういう偶然が重なるものであるとつくづく感じる。
過去に実際にあった誤射の例
・白い手袋がシカのお尻に見えた。
・長靴がイノシシの胴体に見えた。
・オレンジ色の帽子と銃の筒先がヤマドリの姿に見えた。
これらは、実際には考えられない物が見えて事故が発生していますから、この様な事もあるという事も頭の中に入れておかなければなりません。
事故の発生する原因として考えられる事
銃口の先の安全確認が不十分
銃口の矢先の安全を確認する事が大事です。
・獲物は間違いないか?
・撃った弾が留まる”バックストップ”はあるか?
・獲物に発砲しても、その周りで事故が起きないか?
この様な事を頭の中で確認します。
成果欲を抑える
成果欲とは、
・今日は獲物が捕れていないから、なんとか1頭でも捕りたい。
・数頭捕って自慢したい。
このような”あせり”や”精神的に余裕の無い狩猟”は事故に繋がりやすくなります。
思い込みをしない
人ではないだろうという、思い込みをしない事で、逆に人が居るのではないかと疑うべきです。
車で言う”だろう運転”のようなもので、確実に”狩猟鳥獣”なのか”人”なのか明確になるまで撃たない事が大事です。
実践すると事故防止ができる撃ち方
・獲物なのか人なのかを確認する事。
・オスなのかメスなのか? 何歳なのか?大きさはどうなのかも見る癖を付ける。
・どこの部分を狙っているかを考える。
これは、シカが手負いになって逃げられないためには、極力、急所を狙う必要があります。
その為には、”ネック撃ち”と言って、首に当てるのが頸椎を損傷させる事ができるので、当たった場合はその場で倒す事ができます。
首は面積が狭いので、当てる自信の無い方は、前脚の付け根がヘラ状の骨になっていますので、その辺りに当てると心臓や肺に損傷を与えるので、やはり狙うのはここです。
ここを狙う事によって、間違い無く鹿である事を確認する事ができるので、事故を起こす事は、まず、無いでしょう。
まとめ
事故を起こすと、一生涯に渡って後悔する事になり、人生も大きく変わってしまう事になってしまいます。
そのような事が絶対無いように、獲物のどこを狙っているのかを考えて下さい。
今回この様な事故が起きてしまい、非常に残念に思うと共に、被害者の方のご冥福をお祈り申し上げ、そのご家族の方には、お見舞い申しあげます。
以上、恵庭の猟銃誤射事故についてでした。
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