狩猟猟具に関する知識【罠編】

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狩猟

“熟成ブロガー鹿ベえ”です。

 

ここでは、狩猟に使用する猟具がありますが、その猟具の中の「わなについてお話ししたいと思います。

 

【閲覧注意】このブログには、狩猟関係のお話しをする関係上、動物の殺傷シーンや血液の写真などがありますので、ご覧になりたくない方はご遠慮下さい。

 

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わなの種類

 

わな猟免許で使用できる猟具の一つに、「わな」があります。

 

 

わなは、閉じ込めたり、足をはさんだり、体の一部をくくったりして、鳥獣を捕獲する猟具で、法定猟具のわなとしては、『くくりわな』『はこわな』『はこおとし』『囲いわな』の4種類があります。

 

なお、狩猟鳥の捕獲のためのわなの使用は禁止されていますし、人に危害を与えるような危険なわなの使用も禁止されています。

 

わな くくりわな ひきずり型・はねあげ型・鳥居型・ピラミッド型・筒式イタチ捕獲器・バネ式くくりわななど
はこわな —–
はこおとし いわゆる「おし」の一種。ストッパーのあるものは使用が可能
囲いわな —–




くくりわな

 

くくりわなとは、鳥獣の通り道などに設置しておいた針金やワイヤーロープなどで作った輪によって、鳥獣の足、首又は体等をくくり捕える方法です。

 

わなの形などの違いによって、「くくりわな」「ひきずり型」「はねあげ型」「鳥居型」「ピラミッド型」「筒式イタチ捕獲器」「バネ式くくりわな」に分類されています。

 

 

くくりわなの注意事項ですが。

 

わなの輪の直径が12cm以内で、締付け防止金具が装着されていない、わなの使用は禁止されています。

 

また、イノシシ及びシカについては、上記に加えて、よりもどしが装着されていないもの、ワイヤーの直径が4ミリメートル未満である、くくりわなの使用が禁止されていますので注意して下さい。

 

ヒグマ及びツキノワグマについては、くくりわなを含むすべてのわなの使用が禁止されていて、では、ヒグマ及びツキノワグマについては、どの猟法で捕獲するのかという疑問になりますが、『檻』で捕獲します。

 

『檻』の設置は、わな免許を所持していれば、可能になります。

 

また、獣を吊り上げる事ができるような構造のくくりわなは、人の生命に重大な危害を及ぼすおそれがあるわなであるため、使用が禁止されています。

 

 

 

ひきずり型

 

 

ひきずり型のくくりわなは、樹木などに固定したワイヤーの先端を輪にして、獲物の通り道などに仕掛けて、獲物が通った時にわなの輪に体の一部が入り、輪が締まるようになっています。

 

はねあげ型

 

 

はねあげ型は、図のように、木の枝などで反発力のあるものに、くくる輪を取り付け、それとは反対側にはね上がろうとする力を留めて置くものを設置して置きます。

 

ストッパーは、はずれると、動く仕掛けにしておき、獲物が輪の中を通ろうとして輪に接触して動くとストッパーがはずれ獲物をくくる仕組みになっています。

 

 

鳥居型

 

 

鳥居型わなは、図のように鳥居状になった支柱にいくつかのくくりわなをぶら下げて、獲物の通り道などに仕掛けます、獲物が輪の中に入ると輪が締まって捕獲するという仕組みです。

 

ピラミッド型

 

 

支柱を3点に置きピラミッド状にします、中間にある横柱から輪をぶら下げて設置します。

 

積雪地帯で使用される方法で、柱の中に緑餌などを置いて誘致し、飢えたノウサギやユキウサギが餌を食べにくると輪に首が入り捕獲ができるようになっています。

 

バネ式くくりわな

 

 

バネ式くくりわなは、地面に置いて土や草、枯れ葉などで仕掛けを隠し、その仕掛けを獲物が踏む事によって、バネが縮んで輪が締まり獲物をくくる仕掛けです。

 

 

このバネ式くくりわなは現在では、開きバネやコイルスプリングなどいろいろなわなが作られています。

 

上の写真は、開きバネを使用したわなです。

 

このわなは、バネを縮める時に手から外れて身体をケガする確率が高いので注意が必要な事と、早期に仕掛けて、その間に雑草が伸びてくると、うまくバネが作動しないという事も起こります。

 

 

上の写真のくくりわながコイルバネ式のくくりわなで、このわなは、ケガのしようが無いくらい安全なわなです。

 

円盤状の中に獲物が足を入れるとバケツの取っ手の様なものがハネ上がり、下の写真のように獲物の足をくくります。

 

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下の写真は、上の写真と仕掛けの形状が少しことなり、これは、階段状になっている場所を獲物が歩いている場合に使用しています。

 

シカは階段状の所を歩く場合、足の後ろに蹴爪(けづめ)がありますが、その蹴爪を土手にすりながら降りるため階段状の土手の奥に入れる事によって捕獲率が高くなるため、わなを仕掛ける場所によって使い分けています。

 

 

下の円形の筒も高さの違うものを用意して、わなを仕掛ける場所によって変えています。

写真の中の”つま楊枝”は、体重の軽い小動物、キツネ・タヌキ・アライグマの「錯誤捕獲」を防止するために使用します。

 

ちなみに「錯誤捕獲」ですが、シカを捕獲する目的で仕掛けたわなに、キツネ・タヌキ・アライグマ・クマなどが掛かる事を錯誤捕獲といいます。

 

 

筒式イタチ捕獲器

 

 

 

イタチが餌に誘われて筒の中に頭を入れると、仕掛けが作動して首をくくる仕組みになっています。

 

上の写真の筒式イタチ捕獲器はストッパーが付いているため、獲物の首を締め切らないため使用が可能です。

 

しかし、ストッパーの付いていない筒式イタチ捕獲器は、非狩猟鳥獣のイタチ(メス)やチョウセンイタチ(メス)の首を絞めて殺してしまうため使用が禁止されています。

※非狩猟鳥獣とは、鳥獣法で捕獲が禁止されている鳥獣の事です。

 

はこわな

 

 

はこわなは、箱の中に獣が入り込んで餌をくわえて引いたりすると、出入り口が閉まることにより、鳥獣を閉じ込めて捕獲する方法です。

 

正確には、入口以外は、木製か金属製のもので屋根や壁があるものを箱わなと呼びますが、近年では、わな全面がマス目状の金属製のものでも”はこわな”と呼んでいます。

 

はこおとし

 

 

はこおとしは、箱の中に獲物が入り込むと、重りを載せた天井が落下して、鳥獣を圧迫又は圧殺して捕獲する方法です。

 

通常の箱落としは、いわゆる禁止猟具の「おし」と呼ばれるものですが、「さん」を作って鳥獣を圧殺しない構造のものは、猟具として使用可能です。

 

囲いわな

 

 

 

囲いわなとは、獲物が入って餌をくわえる事によって、入口が閉まり獲物を捕獲するという仕組みです。

 

はこわなと似ていますが、天井部分も四角いアミ目状の金属になっているものを言いますが、近年は、「はこわな」も「囲いわな」も違いがなく、どちらも”はこわな”と呼ばれるようになっています。

 

わなには標識の設置が義務付けされている

 

網・わなにはそれぞれ猟具ごとに金属製かプラスチック製の標識を取り付ける事が義務づけられています。

 

標識に書く内容としては、文字1文字が縦横1cmで、わな設置者の氏名・住所・都道府県知事名・登録年度・狩猟者登録証の番号(駆除で設置する場合は、駆除の許可番号)を入れなければなりません。

書く内容さえ指定された物が入っていれば、どのような物でも良く、例えばパソコンのプリンターで印刷したものにラミネートを掛けた標識でも構いません。

 

それ以外に、その場所にわなが仕掛けてある事を知らせるための看板も義務付けられています。

 

 

この看板もパソコンで作成してラミネートを掛けて、人の見やすい所に設置しても構いません。

 

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まとめ

 

法定猟具のわなとしては、くくりわな・はこわな・はこおとし・囲いわなの4種類があります。

 

くくりわなでは、ひきずり型・はねあげ型・鳥居型・ピラミッド型・筒式イタチ捕獲器・バネ式くくりわなの6種類があります。

 

わなの輪の直径が12cm以内で、締付け防止金具が装着されていない、わなの使用は禁止されています。

 

また、イノシシ及びシカについては、上記に加えて、よりもどしが装着されていないもの、ワイヤーの直径が4ミリメートル未満でである、くくりわなの使用が禁止されていますので注意して下さい。

 

ヒグマ及びツキノワグマは、くくりわなでの捕獲は禁止されています。

 

わなには、設置を知らせるための「標識」と「看板」の設置が義務付けられています。

 

以上、狩猟猟具「わな」についての記事でした。




 

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